血統と馬体
『馬は血で走る』と言われるように、血統は重要。
しかし、必ずしもとは言えるものではなく、あくまで推測の域を越えないものと判断しているほうが良い。例えば、トニービン産駒は東京競馬場で強いと言った類のことは確率的な部分で、どうしても取り捨てに迷う時に最後の判断で入れる程度に留めておく方

が無難である。まず距離適性は、血統以上に馬体の構造が問題で胴が短く馬格の大きい馬というのは短距離向きであるし、馬体が小さいもしくは、比較的細身で胴の長いタイプの馬は長距離向き。こういった点に注意するほうが大切である。また、能力の高さというのも血統では判断しえない。例えば、いつも人気になるラスカルスズカ、サイレンススズカと同じ血統だが、サイレンススズカほどには走れない。アグネスタキオンとアグネスフライト。フサイチコンコルドとボーンキング。一応いづれも一流オープン馬だが、兄弟でいながら、力の差は歴然である。つまり、同じ血統だからといって同じ能力ではない。血統人気というのは、アテにはならないのである。

私が血統を見る場合、もっとも注意する点は、初芝、初ダートで、ダートまたは、芝を普通に走れるかどうかという点である。多くの場合、厩舎のコメントなどにダートも大丈夫とか、芝でもといったコメントがつくが、そうではない場合や、より信憑性を持つ為に確認することがある。なぜ、ダート適性や、芝適性を血統で確認するのかという点だが、これは遺伝の中でもっとも遺伝しやすい部分というのは、体の構造つまり、体の形。明らかでない距離適性や、ダート・芝の適性は、体の構造によって変わるためもっとも遺伝しやすい構造と言う部分に注目する為である。能力が遺伝すると言うことはそれほど大きくはないが、体の構造は非常に遺伝しやすい。人間でも、親と顔はそっくりでも、頭のデキが全然違うというのは良くあること。そういう意味で、まったくDATA上分からないとき、適性を血統で推測するのは必要なことだろう。どういった血統が、どう向くと言った点については専門書などが出ているのでそういう本などを利用してほしい。ここで、それを挙げていてはキリが無いので割愛させていただく。
力の比較・過去のレース内容から見る能力
各馬の力を比較する場合。
同じレースに出ていた馬の力の比較というのは比較的分かりやすい。例えば、ソウゴウリロン賞というレースに出ていた馬が3頭いたとする。このとき、[A]が01着、[B]が02着、[C]が06着だったとしよう。これがそのまま、力差になるなら何の問題もなく、非常に簡単なのだが、そんなはずはない。

まず目をやるのは着差

[A]01着…上がり35.5秒スローペースで位置取りは [01-01-01-01]
[B]02着…0.2秒差 34.8秒 位置取り [08-05-05-04]
[C]06着…0.6秒差 33.9秒 位置取り [15-15-14-14] だったとしよう。

[A]はスローな流れの前で有利な位置取り、逃げ粘って01着、[C]は良く追い込んだが結果届かず。単純に上がりだけで見れば [C]が最も速い。レースの流れる状況によって変わるものではあるが、予想を行うレースでも同じような流れが推測されるなら、各馬の状態が悪くない限りはこの差はほとんど変わることはないかもしれない。しかし、今回ハイペースが予想される場合には、当然ながら、[C]の馬の台頭も十分ありうるわけである。どのような場合において、どの馬が最も能力を発揮しやすい状況になるのか、それによって各馬の力の比較を行う。予想するレースが、どういった流れなのかを注意し、同じレースを走った馬の状態を見極め、どういった能力を発揮できるのかを推測することが重要なポイントとなる。

次に、別のレースに出ていた馬の比較。これができればまどろっこしい予想は必要ないとも言えるのだが…。
例えば、 新潟競馬場で 1800m上がり3ハロン ミドルペースで33.2秒
福島競馬場で 1800m上がり3ハロン ハイペースで34.5秒

これはどちらの馬が能力が高いと判断できるだろうか?これは後者つまり、34.5秒の上がりを見せた馬のほうが能力が高いと判断できる。理由は、前述の競馬場の特性でも述べたように、福島競馬場は非常に上がりタイムが遅くなる傾向にあり、34秒台というのは少ない。しかもハイペースの中で生み出したものなのでこれは非常に能力が高いという判断が可能となる。逆に新潟の上がり33.2秒というのは速いタイムではあるが、スローペースで上がりは速くなるパターンでもあり、ここでは福島34秒台のほうが評価できるのである。全体の時計にも注意し、各競馬場の特性、流れを考えた上で、その馬の上がりを評価する必要がある。
時計の評価
競馬はスピード競走ではない。
しかし、時計が速いというのはその馬が能力があると言う判断の根拠ともなる。
一概に時計だけで判断は出来ないが能力の高さの証明にはなるので、時計の評価は必要である。まず、時計を評価する際、各競馬場の基準となる時計を置いて比較する必要がある。また、500万条件と 重賞クラスでは時計も異なる為そのクラス別の時計も判断の対象としなければならない。そこで、ここでこの時計をすべてについて上げているとキリがないので、簡単な基準タイムの覚え方。まず各競馬場のレコードが新聞には載っている。で、そのレコードから0.5秒づつひいたものがおおまかな基準時計となる。つまり、例えば、京都競馬場 芝外回り1600mの各クラスの基準となる時計は

レコード 1:32.1 ビハインドザマスク
オープン 1:32.6
1600万 1:33.1
1000万 1:33.6
1500万 1:34.1

このような感じ。 このくらいの時計が出ていれば評価できる時計であるといえよう。距離によって多少の差はあるが、大体大まかにこのように覚えておけばそれなりに役に立つ。
斤量
斤量は、昔から1kg馬身といわれるがほんとにそうだろうか?単純にはこうは行かないもので、斤量に関しては、軽い分には良い。重い時には、その斤量でこれまでと同様のレースができるかどうか?という点に注目する。例えば、これまで別定戦で59kgを背負ってハンデ戦に出たところ57kgでトップハンデだったとしよう。別定戦でどういうレースをこなしていたのか、そこの部分に目をやる。2kg軽くなっているのだから、当然これまで以上の走りも期待できるわけで、軽くなった時には過去のレース成績がどの程度のものかを評価の対象とし、それ以上の走りを期待できる可能性があるわけである。また、重くなった場合でも2kgの増でも過去に同じ斤量で走っているレースがあれば、その部分に注目。ハンデ戦にせよ別定戦にせよ、最初の予想の段階では斤量を気にせず予想を行い。その後斤量を確認、この馬にこれは軽い、と思えたらその馬は買いでいいだろう。
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