蹄鉄
(ていてつ)
馬の靴といっていいもので、蹄の保護と磨滅を防ぐためにつけられている。蹄鉄は平常鉄(調教用蹄鉄)とニューム鉄(競走用蹄鉄)に分けられる。平常鉄は調教と平時の運動に使われるもので、極軟鋼といわれる鉄によって作られる。220グラムぐらいの重さだが、競走馬の激しい運動から20〜25日くらいで磨耗してしまう。競走に出るときは蹄鉄の重量を軽くするため1個70グラムのアルミニューム製のものを用いる。競走用蹄鉄は弱くて常時着用というわけにいかず競走日の朝装着し、競走が終われば外す。爪の悪い馬や鉄の取り外しの困難なものに対して、平常時と競走の両用としてのニューム製のものもあるが、この蹄鉄の使用については係員の許可が必要。以上の3種が競走馬に使用されているが、馬の肢正によって追突、交突しやすい馬や、蹄底の浅い馬に対しては特殊な鉄が別に作られ使用されることもある。シンザンがつけた鉄橋蹄鉄(シンザン鉄)もその一例。蹄鉄をつけたり、取り替えたりする人のことを蹄鉄師とか装蹄師といっている。